「あ・・・委員ち」 「・・・・・・・・・・」 「え、え、え?委員長なんで逃げるんですか?まだ何もしてないですよ?」 「うるさい黙れ近づくな喋るな動くな平伏せろ」 「混乱しすぎて可笑しい事になってます委員長」 「・・・・・・・何か、用?」 「そうそう、重要な用がありま」 「分かったオッケー。何もないんだね、じゃ」 「じゃ、じゃねえです。しかもオッケーとか普段言わないくせに」 「うんうん、分かってる。分かってるよ」 「…そう言いながらなんで静かに遠ざかるんですか?」 「嫌な予感がするからだよ、時期的に。近づくな」 「私Mじゃないので、そういうの止めて下さい。泣きます」 「僕だってSな訳じゃないよ。いいから来んな」 「・・・・・ひどい・・・なんで・・・どうして・・・?」 「無駄な演技力見せなくていいよ。もういいから君は演劇部に入りなそして帰れ」 「・・・・。とりあえず、渡したいものがあるんです。はい!ここ喜んでっ!!」 「嫌だよ。君さあ、去年僕に何したか分かってるの?」 「鳥のヌイグルミをあげました」 「うん、そうだね。・・・で?その後何した?」 「あっもしかして私の誕生日を委員長に祝ってもらった話ですか?」 「・・・じゃなくて・・・」 「いやあ、でもアレ、結局UFOキャッチャーで取ってもらうって話しで・・・」 「だから・・・」 「それで一回300円のを頼んだのは悪かったですけど・・・でも・・・」 「聞けよ。君、あのヌイグルミで何した?」 「・・・・・・・・・え?」 「本気で忘れてるの?そんな事ないよね?それともこの場でショック療法試そうか?」 「わ、忘れただなんてそんな!ただわたくしめは、あのヌイグルミを有効活用・・・」 「へえ・・・、君の有効活用はああ、なんだ?」 「い、いえ!!だけどやはりあのヌイグルミは風紀委員全員の・・・ま、真心が!」 「・・・・・は?」 「いつまで経っても委員長に女っ気が感じないから、とかそういうのじゃなくて・・・!!」 「・・・・・・・・・・・・・殺すよ?」 「ぎゃああああ!!いいいいつもの、『咬み』がなくてリアルにやばいです!!」 「・・・・・。まあいいや、所で渡すものって?」 「え、あ、こ、これです!どうぞ!」 「・・・・・・去年よりは随分軽いな・・・しかも、何この形・・・箱・・・?」 「まあ、去年通りおうちで開けて下さいね!」 「前みたいに、爆発しない?」 「・・・・・しませんよ」 「本当に?したらこれぶっ壊すよ?」 「だ、大丈夫ですって!今年はほんとーにふつーにふつーのプレゼントです」 「・・・それって、去年が普通じゃなかった、みたいな言い方だね」 「気の迷いです」 「何がだよ。・・・ていうか、君、僕の誕生日が5日だって事もうシカトだよね」 |
「あー・・・あっづー・・・」 「そうですねえ・・・草壁さんを見てるとますます・・・」 「・・・。テメェもう一回言ってみろ」 「暑いですー助けてー」 「おい、それはオレを見ているせいだからか?あ?」 「欠点はあるもんですよ。人間だもの」 「みつをみたいな事言ってんじゃねえよ。・・・・・・て、ソレ何持ってんだ?」 「あれですよ、ほら、委員長の」 「お、懐かしいな。誕生日に差し上げたヌイグルミか。・・・・・・・なんで今?」 「いやあ、悲しい事に、委員長ったら全くコレを使ってないそうです」 「・・・そう、って誰からだよそれ」 「お母様から」 「おか・・・・っ?!、まさかお前委員長とそんな関係なのか・・・?!」 「まさかー!私、結構交友関係が広いんですよーてゆーか奥様旦那様のアイドル?」 「うっざ。・・・まあ、確かにって結構道端で知らん爺さんと話してるしな」 「それで今日もアイス奢って貰えそうになったんですけど、委員長に止められてー・・・」 「・・・・・委員長?なんでだ?」 「私も分からないんですけど、いきなり出てきたんです」 「・・・・一応聞いとく、その、アイスを奢ってくれるって言ってくれた奴の特長は?」 「うーん・・・この並盛のアイドル・でも見たこと無い人でしたね」 「へえ・・・」 「てか今って花粉凄いんですか?その人マスクどころかグラサンもしてたんですよー!」 「ば、馬鹿!!お前それどう考えたって人攫いだろ!!」 「ええー・・・疑い深ぁーい」 「・・・・・はあ・・・・、で、そんな事はどうでもいい。どうでもよくないけどよ」 「優柔不断ですね」 「お前意味分かってんのか。・・・とりあえず、そのヌイグルミどうするんだ?」 「これとこう、ああするんです」 「ひたすら意味分からん。しかもなんでポラロイドカメラ・・・」 「んで、こうします」 ガチャ 「・・・・応接室?今委員長寝てるんだからマジで静かにしろよ」 パシャ ガチャ 「うん、完了です」 「待て、なんかドアの開閉音が響かなかったか?」 「気のせいですよ」 「・・・・・・・そっ、か・・・」 |
「なんで新学期早々オレら集められてんだよ・・・」 「やっぱ、朝のアレじゃないか?結構騒がれてたし」 「ああ・・・アレか・・・。オレもビビったなあ」 「だよな。本当に、誰が撮ったんだか・・・」 「しっ委員長が来たぞ」 「・・・。君達に集まってもらったのは他でもない、朝の事だ」 「・・・・・・・」 「僕はね、別に怒ってる訳じゃないよ。ただ苛立ってるだけさ」 「そ、それって怒って・・・」 「ん?何か言ったかい、草壁」 「い、いえ!」 「・・・それでね、犯人探しといきたい訳だけど」 「あの、委員長ちょっといいですか」 「・・・・・何、」 「まだ状況読めないんですけど・・・、私だけですか?」 「ば、ばか!」 「草壁さん?」 「お前だって分かってるだろ、写真だよ写真!!」 「・・・・・写真くらい分かってますう」 「言葉じゃねーよ!!下駄箱付近に貼ってあった委員長の写真だよ!」 「委員長が苛立っちゃうものだったんですか?」 「・・・今の流れで分かんだろ」 「そんなひどい・・・!!委員長!私も全面的に協力しますね!」 「・・・そう、ありがとう。じゃあまず質問に答えて」 「はい!」 「は、僕の母親と知り合いだよね?」 「はい!」 「僕の家に入ったことあるよね?」 「はい!」 「僕の部屋からあのヌイグルミをとったよね?」 「はい!」 「そしてそれを応接室に寝ている僕に乗せたよね?」 「はい!」 「そしてそしてその様を写真撮ったよね?」 「はい!」 「挙句下駄箱の所に貼った・・・よね?」 「はい!勿論です!」 「・・・・・・・・・・・・・」 「じゃあ君じゃないかあああああ!!」 「え?え?委員長?ご乱心ですか?そんなにショックだったんですか?」 「君のせいだよ!この馬鹿!!なんで母さんと友達なんだよ部屋に入るんだよヌイグルミを持ってくんだよ乗せるんだよ写真撮るんだよ貼るんだよ!!」 「す、すごい的確な叫びですね・・・」 「関心してどうするんだよ!!」 |
「・・・と、言うわけでもうちょっとで委員長の誕生日です」 「、オレ、デジャブ感じた」 「オレも・・・」 「え?何かあったんですか?」 「お前は一年だからな・・・これ去年の話なんだけど・・・」 「おい、。別にオレは誕生日を祝うのは否定しない。だけど、間違えるな」 「だから私は間違えてないんですよ、草壁さん。私は覚えてました」 「お前だけじゃ意味ねえんだよ!おいお前ら!委員長の誕生日は5月5日だからな!!」 「お、大声でそんな主張するなんて・・・草壁さんったら・・・」 「・・・なんでヒいてんだよ。とにかく、前日・・・いや、前々日には間に合わせなきゃな」 「前々日って明日ですよー」 「なっ・・・駄目だこいつ・・・早くなんとかしないと・・・」 「デスノートは置いといて下さい。で、まあ私に案があるんですけ」 「やばいな・・・前々日どころか、明々後日か・・・」 「去年はヌイグルミだろ?でも、ヌイグルミだとまたあの時みたいな・・・」 「・・・私に案がー・・・」 「別に祝わなくてもいい、っていう方向は?」 「まあ、委員長の事だからそれもありだとは思うけど・・・」 「私に案がありますよ!」 「だけど、委員長ああ見えて結構仲間外れとか嫌いだしな・・・」 「うーん・・・・」 「何か・・・」 「・・・先輩が案あるんじゃないですか?」 「馬鹿、新入り!お前わざと皆でをスルーしてんだろ!触るな危険だ!」 「いやあーナイス新入り君!それで、私の案としては写真はどうですか?」 「・・・・しゃ・・・・・・」 「・・しん・・・?」 「・・・お前去年の記憶あるのか・・・?」 「んでまあその写真を、何かに入れるか貼るかして、プレゼント!」 「・・・ま、まあ悪くはないけど、でも、写真だろ?今から撮っても遅いだろうし」 「ふっふー!去年の事を思い出してよ!」 「嫌だ!!のせいであれから少し委員会が最低な事になってんだからな!」 「まあまあ、私があの時カメラが持っていたのはこれまでの伏線なのだよ」 「自分で伏線言うな。・・・・もしかして、ずっと撮ってたのか?」 「うん!委員長から鳥から、草壁さんのうっふんショットまで」 「ぶッ、おま、おま、お前!!」 「・・・・・・撮るわけないじゃないですか・・・リアルにないわぁ」 「・・・そこでまた一気にヒくなよ」 |
「あー・・・それでまた去年同様委員長が居るわけですね」 「・・・・悪い?」 「何か、御用ですか?」 「さっきの写真、・・・・ありがとう」 「・・・・・・・・・・・・・・・・え?」 「・・・・・・・・・・・・え?」 「委員長がおれ、おれ・・・海賊王におれは・・・、お礼を・・・?嘘だ・・・偽者だ・・・」 「それ僕に対して失礼だ死ね」 「・・・・今の『だしね』ですよね?」 「さあ?」 「と、ともかく、写真喜んでもらえて嬉しいです」 「・・・所でさ、なんで最後に『卒業おめでとうございます』なの?」 「あ・・・あれー?書きましたっけ・・・」 「まだ五月だよ?僕、卒業どころかまだ進級したばっかなんだけど」 「・・・ですよねえ」 「、君馬鹿だろ」 「・・・そんな話しに脈略のない・・・」 「今のうちに卒業だ何だって言っといて、本番では祝わないつもりでしょ。無駄にしんみりするの、止めて」 「そんな事ない、です。祝い事、好きですし・・・」 「・・・・じゃあ、来年も誕生日祝ってよ」 「え・・・?」 「祝い事、好きなんでしょ?ならなんで祝ってくれないの?嫌なの?」 「・・・・・」 「別に、中学校なんて地区で決まってる、高校は学力だ。だけど、」 「委員長・・・」 「会ってはいけないとか、ないでしょ?なんで永遠の別れみたいな事書いてんだよ、そんないつも以上に馬鹿みたいな顔、してるんだよ」 「・・・・・委員長、あの・・・」 「・・・何」 「さっきから、沢田君達がそこで気まずそうにこっち見てます」 「・・・・・・・・・・・殺す」 「なぁー!?『咬み殺す』じゃないのー?!」 |
「ねえ、母さん・・・。と会うのやめてよ・・・」 「どうして?あの子いい子じゃない!」 「気の病だよ」 「ふふ、ちゃんみたいな言い方ね」 「・・・・・・・・・やめてって・・・」 「あの子は本当に優しい子だと思うけどなあ」 「そうだね。この前蟻にも持ち前の優しさ見せ付けて遅刻してたよ・・・」 「・・・恭弥がヌイグルミもらった日から『大事にしてますか?』て聞いてくるの」 「・・・・・・・・何、それ」 「本当に気に入らないものをあげたのなら失礼だものねえ」 「・・・・ふーん・・・・・」 「だから、大事にしてるけど気恥ずかしくて一緒に寝れないのかな、て言っておいたの」 「お前かっ!!」 |