「あ、雲雀委員長じゃないですか。・・・これどうぞ」 「・・・・・・・・・・・。僕、になんかしたっけ」 「え?・・・なにを言ってるんですか?誕生日でしたよね?」 「・・・・・・日だったら昨日だよ」 「ですよね。はいどうぞ」 「いや、自己完結しないでよ。意味分からないよ」 「誕生日プレゼントです」 「それは包装でなんとなく分かる。だけどなんで今日?」 「当日じゃ、駄目なんですよ」 「なんで?」 「ヒーローは遅れてくるから、かっこ良いのです。つまり・・・」 「うん、もう・・・いいよ。」 「その日当日に渡したらかっこ悪いかなーと」 「思わないけどね、僕は。・・・それにしてもなんでこんなデカいの」 「並中風紀委員一同より」 「ああ・・・・・・・そう・・・・・・・・」 「あッ!今開けないで下さいね、散らばりますし」 「散らばる・・・?というか委員全員がこれに賛成したの?」 「・・・どれにですか?」 「今日に渡すって事だよ」 「あー、みんな反対すると思ったので6日が誕生日という事になってます」 「・・・・・・・・・・・・・は?」 「だって・・・。それに、草壁さんだって納得していましたよ」 「は?草壁が?」 「委員長が誕生日を言う時は大抵『学校が休みの日』とか言うじゃないですか」 「・・・・・・・うん、そうだね。今日はお休みだね、日曜だし、ねえ?」 「あはは、そうなんですよ。良かったです」 「だけがね」 「まあ、とりあえず受け取って下さいね」 「・・・・・・くれるならもらうけど、・・・これ、なに?」 「開けるときは広いところでお願いしますね」 「そう。で、これなに?」 「広いというか、できれば委員長自身の部屋で開けて下さいね」 「分かった。いいからこれなに?」 「まあ委員長がいいならどこでも良いんですけどね。あ、上からパカッとお願いします」 「うん。だから、これなんだよ」 「あ、わたしこれから友だちとお出かけのような気がするので、ここで失礼します」 「のような気がするって、実はないんでしょ」 「フィーリングです。以心伝心です。・・・それではッ」 「待っ・・・!!」 |
「あ!居た、・・・!」 「草壁さんじゃないですか。こんにちは」 「こんにちはじゃねーよ・・・。・・・・・・・お前に聞きたいことがある」 「そんな改まって・・・。なんですか?」 「お前、委員長の誕生日をいつだと言った?」 「・・・5月」 「それは誕生月だ。日だ、日」 「学校が・・・お休みの日、です」 「どんだけ5月に誕生してんだよ。・・・今日とか言ってたよな?」 「・・・だったらなんですか」 「誕生日、昨日じゃないか?」 「昨日ですよ」 「・・・・・・おい!!今日じゃねーのかよ!」 「そんな、一番最初に信じたのは草壁さんじゃないですか〜」 「そ、そうだが・・・。だけど嘘を言ったのはお前じゃないか!」 「・・・。誕生日がいつだって構わないんです。祝ってくれる人がいるならいつだって・・・」 「・・・・・お前、星とでも交信してんのか?」 「あー・・・。面倒なのでそれでいいです」 「・・・・・・・・・・・・。、もうあの箱を委員長に渡したのか?」 「渡しましたよ」 「おまっ・・・!!!アレは『誕生日だし、ま、いっか!』ていうように作ってあるんだろ?!」 「ですねえ」 「それなのに一日遅れて、しかも中身はアレで・・・!!明日俺らが殺されるじゃねーか!!」 「ドント マインドです、草壁さん」 「ドンマイどころじゃねーよこれ!は殴られたことねーかもしれねーけど、アレはなあ半端ねえんだよ!」 「涙の数だけ強くなれます、草壁さん」 「なにを悟ったんだよオメーはよ!・・・とにかく、お前が謝れよ」 「・・・・・なんでですか?」 「アレを委員長が冗談で済ましてくれるわけねーだろ・・・」 「誕生日、プレゼントなんですよ」 「・・・は?」 「アレは誰がなにを言おうと誕生日プレゼントなんです。群れないせいで友達が全くいなかったり、うっかり年齢イコール彼女いない歴の委員長への、誕生日プレゼントなんです。」 「・・・・・・・・・なんでお前は風紀委員なんだろうな」 「傍から聞けば義理人情かもしれないですけど、わたし達からの日ごろの感謝を込めているのです」 「・・・・・・・。そう、だな」 「・・・ま、わたしがもらったら即ゴミ箱行きですけどね・・・」 「おいテメ殺されてーのか?」 |
「委員長の誕生日って・・・・・・もうそろそろじゃなかったか?」 「あ、そういえば・・・五月だったような・・・。」 「知ってるやついるか?」 「わたし、知ってますよ。五月の・・・六日です」 「・・・ん?六日?前に委員長は学校が休みの日とか言ってなかったか?」 「なに言っているんですかー草壁さあーん。六日は日曜でお休みですよ」 「あー・・・、だな。うっかりだ、うっかり。」 「じゃあとりあえず六日に委員でパーティでも開くか?」 「・・・。入ってきた瞬間にぶち壊されるぞ、それ」 「感動的な事を言えば、あの委員長だって大人しくならないかなあ」 「もしそういう人物だったらこんな会話しねーよ」 「はなにが言いと思う?」 「んー・・・わたし的にプレゼントが良いかなあと」 「プレゼントお?・・・ってことは物か?オレ、金欠なんだけど」 「五月始まって一日しか経ってねえのにすげえな」 「けどさ、小さいお金でも委員結構いっから大丈夫だろ」 「・・・ショボいものは捨てられた上に、殴られっかもな・・・」 「・・・・・・・委員長の好きなものってなんだ?」 「なんか・・・・、少し前から鳥が引っ付いてるよな」 「あー、オレも見た見た。」 「オレも。でも一羽で居るときにこっそりさわろうとしたら背後に委員長居てビビったー」 「雲雀、って名前なだけにまさかの鳥好きか」 「お前それ委員長に面と向かって言えるか?」 「まー。とにかく鳥は候補に入れとこう」 「・・・生きてるのはまずくないか?」 「確かに、アレでもし親が厳しいとかだとオレら悪いし、まずいしな」 「じゃあ木彫りとか、そういうので」 「金いくら位?一人100円はダメか?」 「てか買ってからその値段を割ればいいじゃん」 「お、それでいこうぜ。・・・誰買いに行く?」 「オレパス」 「オレだって」 「・・・・・・・オレ、がいいと思います」 「・・・賛成」 「賛成」 「オレらよりはセンス良いと思うし、なあ?」 「だよ。・・・・頼む・・・!!」 「・・・。まあいいですよ。じゃあ草壁さん、二人で選びましょうね」 「は?!なんでいきなり俺なんだよ」 「オレ賛成です」 「草壁は委員長に近いしな」 「が変なのを選ばないためのストッパーになるし」 「・・・・・・・・・・・・変なのは選びませんよ」 「今の間、なに?」 |
「・・・どうするよ」 「こんなにいっぱいあっても、これだ!ってのがないですねえ・・・」 「だよなあ・・・。もっと違うところにすれば良かったか・・・」 「でも移動しすぎて疲れましたよう、わたし」 「俺だってヘトヘトだっつの・・・。鳥・・・鳥・・・」 「目が鶏肉を食べたそうですね。あ、もういっその事鶏肉をあげましょうか」 「恐らく殴られるぞ」 「・・・草壁さん、宜しくお願いします・・・」 「なんで俺なんだよ。あ゙ー!!全くなにが鳥だよ!」 「荒れないで下さいよー。・・。あっあれなんてどうですか」 「・・・・・・ガラス細工?・・・委員長の場合壊しそうだな」 「・・・かなり失礼ですね。でもこれ可愛くないですか」 「ん?・・・かわいく、ない・・・?どっちの意味だ?」 「・・・・・・かわいい」 「あ、ああー・・・・・・・うん。良いんじゃねーか」 「まあ高いですけど」 「た、高ッ!!お前これこんなに小さいのにか!?」 「うーん・・・、小さいから高いという場合もありそうですが」 「でもコレはねーだろ・・・」 「これガラス細工はガラス細工でも、クリスタルガラス細工みたいですね」 「あ?なにが違うんだ?」 「・・・クリスタル、じゃないですか」 「・・・・・・やっぱこれはねーだろ。高い高い」 「・・・・・・・。じゃああのデッカイ鳥のぬいぐるみはどうですか」 「お、良いんじゃねーの。・・・ってたけえな・・・さっき程じゃねーけど」 「背中に乗れそうですね。・・・・・草壁さん」 「乗らねーよ、絶対俺は乗らねーからな。」 「減るものじゃないですよ」 「そうだな、増えるものだな。俺の屈辱感が」 「はいそうですね。」 「・・・・・・・たまにのことを殴りたくなるんだよな」 「殴ったら警察に駆け込みますから」 「・・・。よし、レジに行くか」 「ラッピングは私に任せて下さいね」 「いや、店員に任せたい」 |
「!」 「・・・あれ、委員長?なにかなさいましたか?」 「なにかじゃないよ。・・・・・・・さっきのだけど」 「あ、どうでした?」 「・・・・全く、びっくりだよ。いきなりカラーテープ出てくるし」 「それでどうでした、中身」 「・・・・・・・・ああ、良かったんじゃないの」 「うわっ雲雀委員長が良かったって・・・!これ夢でしょうか・・・!」 「なにその言い方・・・」 「だって委員長が褒めることって、全然ないじゃないですか」 「・・・・・僕は別にぬいぐるみを褒めたわけじゃないからね」 「うわあ・・・!委員長、これからはアレを抱き枕でお願いしますね」 「人の話を聞けよ」 「・・・・・はい。」 「ぬいぐるみは正直要らないって思った、だけど中身ならもらってあげるよ」 「中身?もしかして綿ですか?」 「ここでとぼける意味が分からないよ、中にあったじゃん。シルバークリスタル」 「あったかもですねえ」 「・・・。でもありがたいけどさ、アレもらったら僕も返さなきゃダメじゃん」 「うわ、なにか買ってくれるんですか。精一杯たかっちゃいますよ」 「・・・きみって本当に自分に正直だよね」 |