「こんにちは、委員長!うへっ!」 「……え?入ってきて早々に奇声あげないでよ…」 「あ、ごめんなさい。うへへっ」 「謝ってるなら早急にやめてくれないかな」 「うへへっごめんなさい!…委員長今何してるんですか?」 「悪いけど、取り込み中だよ」 「………いや、どうみてもDSしてるだけなんですけど…」 「ちょ、うるさい。イヤホンしてるとはいえ、静かにしてよ」 「く、くそぉ……受験生が…受験生のくせに…」 「僕はいつだって自分の好きな学年さ。だから今日は一年生」 「い、一年?!…ってことは私よりも年下ですね!おい、ヒバリこのやろう!」 「高校一年生だよ。とにかくはそこで足が痺れるまで正座してろ」 「……くそぉ……」 「…………………………………」 「…………………………………」 「……………………………っあぁ……道間違えた…」 「……何のゲームやってんですか」 「何でもいいじゃない」 「こっから動いていいですか」 「そのままの体勢で動けるものならね。正座崩したら吊るすから」 「…………………………………」 「う、うわああ!!!!本当にそのまま動いた気持ち悪い!」 「……って、どうぶつの森じゃないですか。これ面白いですよね!」 「うるさいよ。…僕はWiiのが欲しかったのにアイツめ…」 「…草壁さんスか」 「よく分かったね、そうだよ。アイツはお母さんみたいな間違いをやってのけたんだ。しかもそれはお母さんだからまだ許せるものの、あんな顔もリーゼントもでかい奴許せないね」 「へ、へえ……?」 「……あっ、…ああもう……がうるさいから雪玉を川に落としちゃったじゃないか…」 「…………………………………」 |
「あの、一時間経っちゃったんですけど痺れてきちゃったんですけど」 「………………え?まだ居たの?」 「ず、ずっと居ましたよ!」 「うわ、なんか……いや、なんでもない…」 「っつっこまない事にします!それより委員長、面白いことしませんか?」 「え?そういうエロ展開?」 「なんでそんなオープンなんですか?!ていうか違いますし!」 「いや…高校生ってこんなノリじゃないのかな」 「そんなの知りませんよ!あーもうキャラも違う!!」 「何にせよ、断るから。君の考え付くことは誰かが不幸にならなきゃ成り立たないからね」 「高校生風にかっこいい事いったつもりですか?」 「………高校生風………?…いや…別に……?」 「ふふ!楽しくなってきましたね!」 「……そう……?」 「それじゃあ行きましょうか!」 「行く?冗談じゃないよ。僕は今大事な時だ」 「別に大事でも何でもないじゃないですか。ゲームなんていつでも出来ますよ」 「ゲームなんて…?……君は僕を怒らせたいようだね」 「な、なんですか!」 「いいかい、今僕は始めたばかりでたぬきち店長の元でバイトをしてるんだ」 「え?一時間かかって終わってないんですか…」 「うるさい。そしてそれも今終わったばかり。この意味、分かるかい?」 「……いや、全く……」 「ようやく僕は釣りや虫捕りを楽しむ事が出来るんだ!アルバイト中、あのボロい商店でたぬきち店長の後ろに見える網や釣竿をただ羨ましく眺める時代はもう終わったんだ!」 「うん。じゃキリのいい今セーブして止めましょうか」 「聞けよ話!!どこへでも勝手に一人で行けばいいだろ!」 「なっ!なんでそんな寂しい事言うんですか!委員長なんて…今頃DS版をやってる委員長なんてどうせおい森のにわかファンなんでしょ!!」 「にわっ…!ただDS版をやってないだけでそんな事言うな!64、+、e+はやってる!」 「フン!私なんてDS版も、Wii版もとっくに持ってますよ!」 「だ、だからなんだって言うんだ!やりこんだ量は君より上だ!金の像が立ってるし…図鑑はコンプ済だ。そんな新しい物に食いついてる君とは違う!今度Wii版持ってきてね!」 「っえ?!、あ、はい…、えっと…じゃあここにWii持ってきてやりましょうね…」 「うん、そうだね」 「はい………じゃなくて!ほら、セーブしてセーブして!貸しますから!」 「これとそれとは話が違う」 「あ、あのですね……!」 「はいはい分かったよ。じゃあ一回目の借金を返済し終わったらいいよ」 「それじゃあ時間かかりすぎます!今です今!」 「妥協に妥協した結果だろう?それ以下なら僕は行かないよ」 「ああ〜もう、こうなりゃ無理矢理にでも連れて行きますよ!!」 「残念だけど、今の僕は例え目の前にハンバーグがあっても動かないから」 「いけ!」 ボンッ |
ボフッ 「っ!?…ここは………?」 「!きょ、恭さん!?」 「草壁?なんで喪服着てるの?それに、僕は一生顔も見たくないって言ったはずだけど」 「はい?……今が18年だから、10年前が8年……俺、何かしたっけ……」 「……18年?10年前…?足し算も出来ないような奴が数字使うなよ」 「い、いや足し算くらい…」 「あ?」 「……できないです…おいちゃんには無理です…」 「委員長〜!ここに居ましたか!」 「?!な、なんでお前まで10年前の姿で…!」 「え、だ、誰ですかこの人!ままままさか委員長が悪漢に!」 「何気持ち悪い事言ってるの?どうみても草壁…いや、喪服じゃないか」 「……うん?…あ、草壁さんなんですか。どうもです」 「ああこちらこそ…、じゃねえよ!!またお前の仕業か!」 「ふう〜ここは寒いですねーちょっくらあっちに行きましょ!」 「あ、こら待て!」 |
「ここも寒いんだけど。…というか、ここ並盛町だよね?様子が…」 「そうですね。でも、委員長が知ってる並盛町じゃないです」 「……意味が分からないんだけど」 「ほら、お買い物でもしましょ!ここの雑貨屋さんかわいいですね!」 「入るのは別に構わないけど、今混んでるでしょ」 「構わないんだ……。今混んでるのはどこも同じですよ。ほら早くしないよ!」 「別に早くしなくても、店は逃げないよ」 「お父さんみたいな事言わないで下さいよ…。ま、まあ入りますか…」 「あれは並中の制服……でも見たことない顔だ」 「委員長も完全に覚えてる訳じゃないですし、あ、これとかどうですか?」 「え、ぬいぐるみ?何自分用に買うの?まあいいんじゃない」 「なるほど、委員長はこれがいいですか。分かりました買ってきます!」 「……なんであんなに急いでいるんだ…?」 「…やけに袋がでかいね…そんなに大きかったっけ」 「まあまあ気にせずに!」 |
「さっきからどうして走ってるの?」 「ま、ま、まあ…そ、そういう日、も、ありますよ…」 「死にそうだね…」 「死ぬほど疲れました…」 「いつもはのったりくったりしてる癖に」 「えへへ………」 「…疲れすぎておかしくなってるじゃないか…。そこのベンチにでも座ったら?」 「どうもすみません…」 「凍ってるけど」 「………………くそぉ」 |
「………ここ、本当に並盛町なの?」 「ええ、さっき言った通りですよ」 「僕の知らない、って話か。…イルミネーションしてるから、違う町に見えたのかと思ったけど、ここから見ると全然違うね。本当、どうしちゃったんだろ」 「寂しいんですか?」 「さあね。でも、ここが並盛町だって言うなら僕は構わないよ」 「…未来、ここが黒曜町に吸収合併されたらどうします?」 「そんなの未来の僕が許さないよ。黒曜町は悪くないけど、僕は黒曜と言う言葉が嫌いだ」 「あはは…、10年後はまだ並盛町みたいですね」 「10年後?…まあ、100年経ってもずっとここは並盛町だけどね」 |
「ところで、一体なんだったの?」 「何がですか?」 「これまでの事だよ。突然喪服の目の前にいるとか、そういう事」 「えーっと…、マジックです。イッツズマジック!イエーイ!!」 「……君、来年高校に受かるといいね…」 「そんなにひどかったですか?!」 「とにかく、何?」 「何って言われましても…うーん…一言で言うなら、メリークリスマス?」 「今日の日付言える?大丈夫?」 「22日っス、委員長!メリークリスマスっス!」 「だからなんで君は当日じゃなくてちが」 ボンッ |
ボフッ 「………………………」 「あ、こ…こんにちは?」 「ああ、やっと話が繋がったよ。…ふーん…こういう事だったのか…」 「え?あ、あの怒ってます?い、委員長?」 「いや、こっちの話さ…。君はちょっと苦労するかもしれないけど、しょうがないね」 「そんな含みのある言い方は…!!」 「大丈夫だよ。まあ、ちょっと懐かしくてね…」 「は、はい?」 「…ところで、どうしたの?10年後の僕はもうとっくに帰っただろう?」 「えーっと……、はいどうぞ!」 「これは…あの時買ってたやつか。…二つ買ったのは僕にくれる為だったんだね」 「そうです!だって、さすがに10年経っちゃったら捨てられてもおかしくないでしょうし…」 「…そうかな?そういえばずっと気になってたけど、どうして22日だったの?」 「え?」 「クリスマスは25日、イヴは24日。それでもし君なら23日か26日じゃないか」 「あー…それはですね…。…委員長は23日を何と呼びます?」 「………天皇の日?」 「…誕生、が抜けてますね。…23日はイヴイヴの日なんです。そうなりゃ23日もイベントの日だ!よし、なら22日でいいや〜!って感じです。意味はないです」 「なんでイベントの日は駄目なの?」 「これでも委員長に気を使ったんですよ?イベントは大切な人と過ごしたいとかあるかもしれませんし。仲良し委員会な訳でもないんですし、やっぱここはちょっと控えめに」 「あんまり控えめじゃなかった気がするけどね。僕は」 「えへへ!でも、今の委員長にはかなり遠慮が必要そうですね。なんとなく」 「…そうだね。24日は予定が入ってるから」 「うわあ…、今の委員長じゃ考えられませんよ」 「………今だから許せるけど、あの僕は怒ると思うから言っちゃ駄目だよ」 「怒るのもなんだか寂しい話ですね…」 「そうそう、これ僕に返しておいてね。持ってきちゃったみたい」 「………………DS?あれ、どうしてここに…」 「懐かしいからちょっとやっちゃった」 「え、ええ〜!?それって委員長怒るじゃないですか!」 |
「んではもーちょっとで失礼しまっす!」 「へえ、そろそろなんだ。……そういえば、今の君に並盛はどう見える?」 「え?…んー…別に、何も思いませんよ?並盛は並盛です」 「そうだね。100年後もここは並盛町だろうね」 「…それ、委員長もさっき言ってました」 「根本的な性格は変わってないだろうし、ね。…君がいて、僕がいて、そして並盛町がある。100年後は僕らはいないけれど、ここは僕らが生きた並盛町だ」 「……………………え?え、はい?」 「ああ、10年後の24日予定空けておいてね。じゃなきゃ僕は寂しい人になっちゃうから」 「いいい委員長どうしちゃったんですか…?」 「今年貰えるとしたらぬいぐるみ以外がいいかな。…じゃあね。」 ボンッ |
ボフッ 「…………あれ、どうしてここに?…あ、そっか。未来の私がここに逃げてたのか…」 キィ... 「失礼しまーす!」 「………?………うん……僕は夢を見ていたんだ……」 「委員長!改めまして、メリークリスマス!はいどうぞっ」 「夢だけど夢じゃなかった……。これもしかしてぬいぐるみ?もういらないんだけど」 「まあまあ受け取って下さいよ!本当は嬉しいくせに!」 「嬉しかないんだけど…こんなの明日には捨ててやる…」 「あ、それとDS預かってました」 「………え?誰から?というか…、何で持ってるの?」 「イッツズスペクタル!」 「多分意味絶対違うし、それにスペクタクルだと思うよ…まあいいや」 カチッ 「あ、即座にDSを開始ですか」 「………………ん?」 「ん?」 「な、なんだよコレ!!お前何した!?」 「何もしてないですよ…私は」 「何で時計の設定が2018年になってるんだよ!!雑草が酷いじゃないか!」 「…………ああ」 「ああ、って何だ!やっぱり知っているんじゃないか!」 「いや、だから私は知りませんって…」 「ああもうこうなったらゆうたろうに…!!」 「………DS版にゆうたろうは出ませんよ」 |
マジで早いけど
メリークリスマス!
「あ!ここにいた!お前ランボから10年バズーカ奪っただろ!」
「!!責任持って君が雑草取りしろ!!」
「ええええ?!なんでヒバリさんがどう森してるの?!」