某月某日某所にて

かん禁生活1日目

いきなり何を言い出すんだ、と誰かは言うかもしれない。だけど、これは本当なのだ。本当に私は今かん禁されている。(てゆうか、かん禁の「かん」が書けないんですけど…↓↓↓↓↓↓↓←おいおいこのヘコみ具合はマジヤベェっスよパネェっスよ)そんで、その犯人は誰かって?ふふ、誰でしょう!…とかいう三文しばいはどうでもいい!どうせこのノートは私しか見ないんだ!ああ寂しい!孤独死する!まあ生きたいけどね!!!!!
…ちっくしょぉ…。

本題に戻りますが、その犯人とはアイツだ。「雲雀恭称」である。これまで何も接点もなく、いきなり私はかん禁されたのだ。(「かん禁」と書くとなんだか缶が禁止のような気がしてくるから止めよう)(それからこんな変な事を考えるのももう止めよう)
ぶっそうな話だ。ふつう、カンキンされたら、なんかその……ゴウカンとか、イヤン☆みたいな、そういうのされちゃうかと思ったけど、そうでもない。雲雀恭称は私を、ただ閉じ込めたのだ。そしてこのノートは、いつか私が外に出た時にカンキンされた証拠品として、警察に提出しようと思う。だから、これからの事とか、そういうのを事細やか…?ん?こととまか…?こととまやか?事細かに書いていこうと思う。

それから、このノートは隠さなくてはいけないな!どこに隠しておこう。私のお腹でいいかな。これで、例えば雲雀恭称に殴られ、死にそうになってる演技をして雲雀恭称が油断したところで「残念だったな!これが私を守ってくれたのさ!」「なん…だと…」となるはずだ!

あ、雲雀恭称じゃなくて雲雀恭弥だ!!ちっくしょおおおおおおお!!!





換金生活2日目

ひらめいた瞬間はすげえ面白いものだと思ってたけど、そんな事なかったわ。リアルに自分自身に大して失望したわ。これはマジないわ。ありえない。

雲雀恭弥と言う人間を私は、こんな状況になってようやく知ったかもしれない。まず、私が思っていた以上に暴力的じゃなくて、それから微妙にやさしい。微妙に、っていうのは本当にまじ微妙で、冷たいってのをそのまま冷水と例えたら、奴はぬるま湯だ。そんなレベル。なんでそんな微妙かと言うと、昨日雲雀恭弥は私に「寒くない?」と聞いた。いや、寒くはないけど、でもさ、そういうの考えるなら出してくれてもいいじゃん。…と思ったけれど、私はそんな要望を口には出さなかった。いくら今まで何もされてないからって、上手に出るのはさすがにまずいかなって思ったからだ。

(とかなんとかカッコイイ事言ってるけど、そん時はただ怖かっただけで別にこんな事考えてなかったと思う)←刑事さんココ重要ですからね!!





監禁生活三日目

三日目にして、ようやく監禁が書ける様に、っていうか思い出した。ああ、そっか、カントクのカンか……。…………カントクのトクが…書けねぇ…。

そういえば、私は今までずっと、自分の置かれた状況?を書いてなかった事に気がついた。

えーと、ここは誰かの部屋みたいに見える。
なんか、普通にベッドがあって、ソファーなんかもあっちゃって、それからクローゼットとか、机とかもある。さらにシャワールームまである。ワンルームタイプのマンションかと思ってしまうほどの完備だ。そのおかげでさんは清潔です。だけど、普通あるのに無いのは、時計とか、あとテレビとか、かな?外部との接触を制限しているみたいだ。
時計が無いのはつらいなと思ったけれど、考えてみれば時計を見る必要がない。
それに朝昼晩、雲雀恭弥がご飯を出してくれる。今日みたいに、学校がある日は、朝に昼の分のお弁当を渡してくる。しかも普通に美味しいから至れり尽くせりだ。

だけど、どうして私がこうしていなくきゃいけないんだろ。親が心配してるだろうなあ。捜索願とか出したかな?何だかあまり大事にはしてほしくない。恥ずかしいし。

はあーあ、友達と話したいな〜。





4日目

今日は雲雀恭弥とハンバーグの話で盛り上がった。
私はデミグラスソース派だけど雲雀恭弥はケチャップ派らしい。





カンキン☆5ニチメ

雰囲気でも明るく。とか思ってみたけどダメだこりゃ。

それにしても昨日の日記はひどいな。何か仲良さ気じゃん。そういうのちょっとヒくわぁ…。
ちなみに、デミグラス派ケチャップ派と別れ、緊迫した空気が流れたけど、「でもあのハンバーグについてるニンジン美味しいよね。甘いし」を、ボソッと言ってみると、雲雀恭弥は力強く同意をしてくれた。
ただその後、私は味を楽しむために『スティックのようにちょっと長いニンジン派』で、雲雀恭弥はお子様ランチについてるような『花形のニンジン派』と分かり、また亀裂が走った。

いや、確かにさ、見た目も楽しむとか、そーゆうの大事だと思うよ?…でも、少ないじゃん。元々は丸い形のものを花形にくり抜いてるって事は、余る部分あるじゃん。クッキーだったら、もう一回こねてまたくり抜けるけど、ニンジンはこねれないじゃん。もったいないじゃん。だからさあ、やっぱこうやってもう一回考えてみたけどスティックの方がいいよ。絶対。

ってそんなのどうでもいいから!!!!!!!!





監禁6日目

もし私の記憶に間違えがなければ、今日は学校がある日だ。サボっているばかりかと思っていたけど雲雀恭弥は意外と学校に通っているらしい。

雲雀恭弥と話すときはご飯を食べるときだけだ。私の部屋(と言うのはかなり語弊があるけれど)に来て、一緒にご飯を食べるとき。なんで一緒に食べるの?ってくらい無言のときもあるけれど、まさか雲雀恭弥がベラベラ喋るわけないし、でもまあたまに話しするときもあるし、嫌な空間って訳ではない。多分。おそらく。きっと。

最近寝る時間が増えてきた。と言うのも、何もする事がないから寝るしかない。
この部屋には本がいっぱいあるけれど、私には「え、本ですか…(苦笑)」というワガママな女の子☆の気持ちがいっぱいなので、本を読むよりは寝ている。寝て、寝て、寝て、そんで食事の時間を待つ。

って、ここで私がしなきゃいけない事って雲雀恭弥とご飯を食べる事?何か切ないなあ。





7日目

一つ思ったんだけど、もし、もしいきなり雲雀恭弥が私にご飯をくれなくなったらどうなるの?もし、こうやって昼間っから電気をこうこうとつけられなくなったら?真っ暗闇になっちゃうの?いつまで?明日?あさって?それとも、ずぅっっっと?
(あ、この部屋には窓がないっス)

考えれば考えるほど、私の今の状況ってやばくない?ていうかもう7日目?私大丈夫?お母さんは?お父さんは?ねえなんで来てくれないの?どうして?


あたまおかしくなりそう





監禁生活9日目?

驚いた事に、昨日は一日中ずっと寝てたらしい。らしい、ってのはここの部屋に時計がないし、今日が本当に私が思っている日なのか分かんなくて、雲雀恭弥から聞いた事だからだ。

起きたのは多分夕方。寝てたから、雲雀恭弥はご飯だけを置いて出かけていたらしいんだけど、ご飯は減ってないし私はずっと寝ているしで、不安になって起こしてくれたみたい。

いっぱい寝てたから、いっぱいお腹すいた。

確か、こんな感じの事を起きて早々、雲雀恭弥に言っちゃって、雲雀恭弥はそれを聞いてきょとんとした顔をしたけれど、その後ふんわりと笑った。私はびっくりした。笑わない人だと思ってたから、まさかこんな事であんなふうにやさしくほほえむ人だって知らなかった。

寝ていて余っていたご飯より今から暖かいご飯を用意するね、って、雲雀恭弥は言った。
出てきたご飯はハンバーグだった。美味しかった。これは一体誰が作っているんだろう。





かんきんせいかつとうかめ

ありがとう、って雲雀恭弥に言った。雲雀恭弥は、何の事だい?と私に聞いたけど、私はちょっといじわるな気分だったから、なんでも、って答えた。

あのお礼は昨日の件だ。余計な心配をかけてしまったかもしれない。ていうか、ご飯残すとかひどい人っしょ。とか、何とか思いながら、私は朝ごはんを食べているとき、昨日のハンバーグは絶品だった、って言ってみた。そうしたら雲雀恭弥は、ありがとう、って言った。

昨日いっぱい寝たけどまだ眠い。寝ます。





監禁生活13日目

もしかしたら、もしかしたらあのいつも出てくる料理は雲雀恭弥が作ってるものかもしんない。台所に潜入したとか、そういうわけじゃないけど、そんな気がした。ていうか絶対そうだ。だから、なるべく食べている時には、美味しいって言うことにした。私何も出来ないから、それくらいしかきっと雲雀恭弥にしてあげる事ないと思う。(多分)一生懸命作ってくれたんだから、感想くらい言わなきゃね。
私の何気無い一言で、雲雀恭弥が『作ってよかった』って思えるならなんべんでも言おう。

でもサラダにトマトを入れるのはさすがにないわ。

って朝に言ったら夕飯はプチトマトが出た。
…いや、うん、ほら…ね、そういう問題じゃないんだ…。





監禁生活





……何がしたかっただろう…。

今日も昨日もとくに何もなかった。そりゃあ雲雀恭弥と話したけど、今更取り上げるようなものでもないしね。でもそうなると、これから何を書くか迷うなあ……。
やっぱ何気ない感じでいっか。書かなきゃいけない、って考えると書けなくなるしね!





17日目

やばい。なんかやばい。雲雀恭弥がDSライトくれた。え、なんで!?みたいな顔してたんだけど、なんでも自分はDSiを買うからライトの処分をどうするか迷っていたらしい。
初めて触るDSライトに感動していると、なんと雲雀恭弥はソフトもくれた。まあゲーム機はソフトがなきゃ始まらないのは分かってるけど、まさかソフトまでくれると思ってなかったからびっくりだ!すげえええええ!!
くれたソフトは「おいでよ どうぶつの森」っていうやつで、雲雀恭弥は、こういうのが好きだろう?みたいな顔をしてくれたけど、私ゲームをそうしないんだよね。スローライフがなんたらってCMやってるゲームだっけ?あれおもしろいの?

ま、とりあえず取り扱い説明書を読もう。





監禁生活21日目

やばい。なんかっていうか、やばい。
ゲームおもしろい。略するとおい森っていうらしい。おもしろい。

ゲーム初心者の私だったけれど、借金は凄い勢いで返している。一日中暇だしね。
今日の夕飯、雲雀恭弥がしょうがないけどでも可哀想だからお金集めの仕方を教えてあげるよと自信満々と私のおい森のデータを見た時の顔は一生忘れそうにない。

その一瞬優位に立てて良かったんだけど、でもそのせいで、ゲームは1時間やったら15分休憩って約束させられた。あんたはオカンか。





かんきんせーかつ26日目   くらい?

最近毎日日記(?)を書かなくなったせいか、今日何日目なのかさっぱりになった。どんまい。

雲雀恭弥はもしかしたら、この家に一人かもしんない。もしこの家に誰かいると仮定して、そしたらどうして私の存在に気付かないの?なんで昼間は誰の足音も聞こえないの?
こんなわりと一人部屋に一人暮らさせるくらい、お金があるのは分かったけど、でも、お金があってもそうなんだあって、なんとなく思った。

私の家は、そこまでユウフクでもなくビンボウでもなく、そこそこの家庭で、お金持ちに憧れはしたけれど、家で一人にならなきゃいけないってのなら、私は家でいいって思った。

雲雀恭弥は一人で寂しかったのかな。私で寂しさが紛らわしてくれるのなら、それはそれでいいかもって思った。そういう風な考えはダメなのかな。

…いいよね?

いいよね。





せーかつ31日目

そういえば、いつの間にか時計がある生活になってた。DSのおかげだ。
でもやっぱり、ここで時計と言うのはなかなか無意味。

だけど最近は、まず時計の時間を確認して、そして自分の起きる時間を予想して寝る。そして起きれたらイエーイ!!!!!!!っていう遊びをしている。結構面白い。





35日目

喧嘩した。どうしよう。





36日目

おなかめっちゃなってた。おなかすいた。
どうしよう。どうしようどうしよう。

おなかすいたっていうか、お腹すきすぎて気持ち悪い。やばいこれ。やばいってこれ。なんかはきそうだよ。ごめんって言いたいよ。雲雀恭弥はどこにいるの?

ごめんねってあやまりたいよ。

ごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんね













38日目

昨日、ドアの外で、何かがたおれる音がしたから、私はおそるおそるドアに近づいた。この部屋から出ちゃだめだろうなあって思ってたんだけど、でも、雲雀恭弥とも喧嘩して以来会ってないし、なんかいらいらしちゃってて、なんか私はドアを開けた。
そしたらなんか固いものにドアがぶつかって、つっかえて、え、ってのぞき込んだらそこには雲雀恭弥がいた。顔は真っ青だし、なんかいろいろやばいしで、私はまず部屋に運んだ。

後から聞いたんだけど、雲雀恭弥は喧嘩してからずっとこのドアの前に立って謝るタイミングを待っていたらしい。つまりそれはこの2日間飲まず食わずで、不眠不休で。
嫌われたくなかったごめん、って、雲雀恭弥は私に言った。私はなんとなく、「やっぱりなあ」って思った。雲雀恭弥は嫌われるという事をきょくたんに嫌っている。どうしてかはきっと、昔に何かあったのだろう。私は探りをいれない。

私は、水道があるから水を飲む事は出来ていたけど、雲雀恭弥はそれ以上に過酷な状況だった。ごめん。ごめんなさい。ごめんなさい。私が悪いんだ。本当に。

薄く目を開け起きた雲雀恭弥に私は必死に謝り倒してたら、雲雀恭弥はあの時みたいに、やさしくわらった。ごめんね、なんて可哀想な子。ごめんね、わたしがそばにいるよ。

ずっと。

81日目

そういえばDSにピクトチャットというきのうがついているコトにきづいた。
なんでも、だいたいはんけー30メートル以内にいる人や、むせんなんとかを使って遠くの人と、チャットが出来るらしい。私もログインをしてあそんでいると、そこに一人、入ってきた。
こんにちは、って文字がきたからわたしもそうかえした。ちょっとよみづらい字。男子かなあ。

少し話してみたんだけど、ゲーム始めてもう1時間たっちゃったからでんげんを切った。

夕飯が出るのはきっともうちょっと。ひとねむりするために私はめを閉じた。



こんにちは  こんにちは
なんてお名前ですか  っていいます  もしかしてさんですか?  そうです
見つかった良かった。探してたんです  だれをですか  あなたをです

あ、そうそう僕の名前は沢田――


瞼の奥に